PR配信とメディアアプローチの違い:配信だけでは掲載が増えない理由と使い分け
プレスリリースのPR配信と、記者・編集者への個別のメディアアプローチは役割が違います。それぞれでできること・できないこと、新商品で組み合わせる順番を実務目線で解説します。
Gloture編集部公開 約4分
ふたつのルート
- できること・できないこと
- 使い分けの判断
- 新商品での5ステップ
目次
この記事の結論 PR配信は「公式情報を広く、記録に残る形で出す」手段で、メディアアプローチは「特定の媒体の担当者に、その媒体向けの切り口で届ける」手段です。新商品で記事を増やしたいなら、配信は起点であってゴールではありません。配信と個別のアプローチを、決めた順番で組み合わせることが成果を分けます。
PR配信でできること、できないこと
PR配信は、プレスリリースを配信サービスや自社サイトを通じて公開し、登録している媒体や記者に一斉に届ける方法です。PR TIMESのような配信サービスを使うのが一般的です。
PR配信が得意なのは、次のようなことです。
- 発表日と内容を、公式情報として一度に公開できる
- 配信サービスや提携サイトに掲載され、検索で見つかる一次情報になる
- 取引先、投資家、採用候補者など、メディア以外の相手にも同じ情報を届けられる
- 後から「いつ、何を発表したか」をたどれる記録になる
一方で、配信だけでは難しいこともあります。
- 特定の編集者や記者に、確実に読んでもらうこと
- 媒体ごとに切り口を変えること(同じ文面がすべての媒体に届きます)
- サンプルの貸出や取材の調整、写真素材の個別の手配
- 「なぜ今、この媒体で取り上げる価値があるのか」を相手に合わせて伝えること
メディアアプローチとは何をする仕事か
メディアアプローチは、商品と相性のよい媒体と担当者を選び、個別に情報を届ける仕事です。具体的には次のような作業が含まれます。
- 商品に合う媒体を選ぶ(テック・ガジェット、ライフスタイル、デザイン、専門誌、テレビの情報番組など)
- 媒体ごとの過去の記事や特集を読み、どの切り口なら扱いやすいかを考える
- 担当者に、その媒体向けに短くまとめた案内を送る
- 関心を持たれたら、サンプル貸出、追加の写真、開発者への取材などを調整する
- 掲載の確認、内容の事実確認、掲載後のお礼と次回の案内
PR配信が「放送」だとすれば、メディアアプローチは「一人ひとりとの会話」に近い仕事です。手間はかかりますが、記事化に必要な情報を相手の都合に合わせて渡せるのが強みです。
ふたつのルートは役割が違う
PR配信
一斉に、同じ内容を
- プレスリリースを完成させる
- 配信サービス・自社サイトで公開
- 公式情報・転載・検索での発見
メディアアプローチ
個別に、媒体ごとの切り口で
- 相性のよい媒体と担当者を選ぶ
- その媒体向けの案内を送る
- サンプル貸出・写真・取材の調整
● 記事・番組での紹介
2つの違いを一覧で
2つの違い
PR配信
- 届け方
- 一斉に、同じ内容を
- 主な成果
- 公式情報の公開、転載、検索での発見
- 必要なもの
- 完成したプレスリリースと素材
- 得意な場面
- 企業発表、業績、提携、イベント告知
- 手間
- 比較的少ない
メディアアプローチ
- 届け方
- 個別に、媒体ごとの切り口で
- 主な成果
- 記者・編集者による記事、番組での紹介
- 必要なもの
- 媒体の理解、担当者との関係、素材とサンプル
- 得意な場面
- 新商品、体験して価値が分かる商品、雑誌・テレビ
- 手間
- 多い(調査、連絡、調整、フォロー)
配信だけでは掲載が増えにくい理由
記者や編集者のもとには、日々大量のリリースが届きます。その中から記事を書くかどうかは、件名と最初の数行で判断されることが少なくありません。全媒体に同じ文面で届くリリースは、どうしても「どの媒体にも少しずつ当てはまる」内容になり、特定の媒体にとっての必然性が弱くなります。
さらに新商品の場合、記事にするには写真の使用許諾、実機での確認、価格や発売日の裏取りなど、リリース本文以外の情報が必要です。配信を見て興味を持った担当者が、その場で問い合わせ先に連絡してくれるとは限りません。届けたあとに、こちらから必要な情報を差し出す仕事があって、はじめて記事になります。
配信だけで十分なケース、アプローチが必要なケース
すべての発表に個別のアプローチが必要なわけではありません。
使い分けの判断
配信中心でよいケース
- 会社としての発表(資本提携、拠点の開設、体制の変更など)
- 価格改定や販売店の追加など、事実を正確に残したいもの
- 検索で見つかる公式情報を用意しておきたいもの
アプローチまで組み合わせたいケース
- 新しいカテゴリの商品、写真だけでは良さが伝わりにくい商品
- 雑誌の特集やテレビの情報番組での紹介を狙う場合
- クラウドファンディングの公開や一般発売など、特定の日に話題を集めたい場合
新商品での組み合わせ方:5つのステップ
新商品の発表では、次の順番で組み立てると無理がありません。
新商品での組み合わせ方
- 1
媒体リストをつくる
テック、ライフスタイル、専門誌、テレビに分けて優先度をつける
- 2
先行して案内する
制作に時間がかかる媒体へ、情報解禁日を明記して
- 3
発表日にPR配信
解禁日に合わせて公式情報を公開
- 4
個別にフォロー
媒体向けの切り口とサンプル貸出の案内を添えて
- 5
掲載を確認・記録
販売ページや営業資料で使える形に
メディアアプローチで気をつけたいこと
- 相手の媒体を読んでから連絡する 過去に扱った商品やコーナーを知らずに送った案内は、すぐに見分けられます。
- 同じ文面を一斉に送らない それは個別アプローチではなく、手作業の配信です。
- 追いかけすぎない 返事がないことも答えのひとつです。フォローは一度、要点を短く。
- 貸出や取材の条件を先に決めておく 返却の要否、貸出期間、撮影の可否などが曖昧だと、相手の負担になります。
Glotureでの進め方
Glotureでは、PR配信プラットフォームでのプレスリリース配信に加えて、Gloture独自の150以上のTier 1/Tier 2メディアリスト(数値は当社調べ)へ直接情報を届けています。さらに、自社のガジェット・ライフスタイルメディア「Modern-G」での紹介を組み合わせ、最後に掲載レポートとしてまとめます。
PR予算30万円〜50万円の範囲では、配信と基本的なメディアアプローチに集中するのが現実的です。50万円以上になると、媒体ごとの切り口の作り込みやサンプル貸出の調整など、アプローチの深さに予算を回せるようになります。いずれの場合も掲載をお約束するものではありませんが、配信だけで終わらせない設計にすることで、記事になる可能性を高めることはできます。
PRの全体像を先に押さえたい方は、商品PRとは?広告との違いと、新商品PRを始める前に整える準備もあわせてご覧ください。
この記事は、株式会社Glotureの商品PR支援経験をもとに編集しています。
あわせて読みたい
- 商品PRの基本
商品PRとは?広告との違いと、新商品PRを始める前に整える準備
Gloture編集部公開 約5分
- PR素材
ガジェット商品のPR素材チェックリスト:メディア掲載に向けて揃えるもの
Gloture編集部公開 約5分
- クラウドファンディング
クラウドファンディング前後のPR設計:公開前・期間中・終了後にやること
Gloture編集部公開 約6分
