クラウドファンディング前後のPR設計:公開前・期間中・終了後にやること
Makuake・GREEN FUNDING・CAMPFIREなどでの新商品プロジェクトを、PRの観点で公開前・期間中・終了後の3段階に分けて設計する方法。プラットフォームの規約上の注意点と、一般販売へのつなぎ方も整理します。
Gloture編集部公開 約6分
クラウドファンディングのPRタイムライン
- Makuake
- CAMPFIRE
- GREEN FUNDING
- メディア
- レビュアー
- 一般販売
目次
この記事の結論 クラウドファンディングのPRは「公開日に告知する」ことではなく、公開前・期間中・終了後の3段階で、それぞれ違う目的を持たせて設計するものです。公開前は初速の準備、期間中は話題の更新、終了後は一般販売への橋渡し。プラットフォームごとの規約と方式を最初に確認してから、PRの日程を組みましょう。
まず確認したい、プラットフォームの前提
Makuake、CAMPFIRE、GREEN FUNDINGの違いはご存じの方も多いと思いますが、PRの設計に直接関わる点だけを、各社の公式ヘルプ・案内ページで確認できる範囲で整理しておきます(2026年10月6日確認)。
| 観点 | Makuake | CAMPFIRE | GREEN FUNDING |
|---|---|---|---|
| 方式 | All or Nothing型/All in型 | All-or-Nothing/All-in | All-or-Nothing |
| 手数料(公式の記載) | 集まった金額の税抜20%(税込22%、決済手数料込み) | 手数料12%+決済手数料5%(別途消費税) | スタンダードプランで20% |
| PRに関わる特徴 | 公開する製品は原則として一般販売前のもの | 幅広いカテゴリに対応 | SHIBUYA TSUTAYA、二子玉川 蔦屋家電+などで実物を展示する「Touch & Try」 |
出典:Makuake 手数料、Makuake 実施方式、Makuake 販売中の商品について、CAMPFIRE 手数料、GREEN FUNDING。
PRの観点で特に重要なのは、Makuakeの「原則として一般販売前の製品」という方針です。裏を返せば、プロジェクトの公開そのものが「日本で初めて手に入る機会」というニュースになり得ます。一方で、すでに他の販路で売っている商品を扱う場合は、プロジェクトの目的とあわせて担当キュレーターに相談が必要です。GREEN FUNDINGの店頭展示は、写真や動画だけでは価値が伝わりにくいガジェットにとって、メディアに実物を見てもらう場としても使えます。
3段階の全体像
公開前・期間中・終了後で、PRの目的はそれぞれ違います。各段階の詳細は以下で説明します。
3段階のPR設計
- 1公開の4〜8週間前から
公開前:初速をつくる
- プロジェクトページの言葉を決める
- 写真・動画・スペック・サンプルを揃える
- 媒体へ公開日を解禁日として先行案内
- 公開日に来てくれる人を集める
- 外部への告知方法を担当者と確認
- 2公開日〜終了日
期間中:話題を更新する
- 公開日にPR配信
- 目標達成や新リターンを新しいニュースに
- 店頭展示や体験会に媒体を案内
- 掲載記事を活動報告で共有
- レビュアーへの依頼は表示を前提に
- 3終了後
終了後:一般販売へ
- 一般販売の開始を新しいニュースに
- 実績と掲載を販路への提案材料に
- 支援者への対応を最優先に
- 掲載をレポートにまとめる
公開前:初速をつくる準備(目安として公開の4〜8週間前から)
クラウドファンディングでは、公開直後の動きがその後の見え方を左右します。公開日に初めて告知を始めるのでは遅く、公開前の準備がPRの大半を占めます。
- プロジェクトページの言葉を決める ページのタイトルと冒頭の数行は、そのままプレスリリースの見出しにも使われます。スペックの羅列ではなく、「誰の、どんな場面を変える商品か」が伝わる言葉にします。
- 素材を揃える 写真、動画、スペック表、サンプル。ガジェット商品のPR素材チェックリストの項目は、プロジェクトページにもそのまま必要です。
- 媒体への先行案内 制作に時間がかかる媒体には、公開日を情報解禁日として先に案内します。公開日に記事が出る状態をつくれると、初速を後押しできます。
- 公開日に来てくれる人を集める 自社のメールマガジン、SNS、事前登録ページなど、公開を知らせられる相手をあらかじめ用意します。
- 外部への告知方法を確認する プレスリリースの配信日、ページへのリンクの扱い、プラットフォーム側の告知との兼ね合いは、事前に担当者と確認しておきます。
公開前のPR素材チェック
- プロジェクトページのタイトルと冒頭が、そのままリリースの見出しに使える
- 写真(白背景・使用シーン)と動作動画が揃っている
- スペック表と、日本で必要な認証の取得状況
- 媒体向けの先行案内と情報解禁日
- 公開日を知らせる自社の導線(メール、SNS、事前登録)
- 終了後の一般販売の時期・場所・価格の見通し
期間中:話題を更新し続ける
公開日の盛り上がりが過ぎると、多くのプロジェクトで動きが落ち着きます。期間中のPRは、新しい話題をつくって再び注目を集めることが目的です。
- 公開日にPR配信を行う プロジェクトの公開を公式情報として出し、先行案内した媒体の記事とタイミングを合わせます。
- 節目を新しいニュースにする 目標達成、新しいカラーやリターンの追加、開発の進捗などは、活動報告として発信すると同時に、媒体への追加の案内材料にもなります。
- 実物に触れる機会をつくる 店頭展示や体験会があれば、編集者やレビュアーを案内する理由になります。
- 掲載された記事を共有する 掲載記事を活動報告やSNSで紹介すると、支援を迷っている人への後押しになります。
- レビュアーへの依頼は表示を前提に 商品の提供や報酬を伴う紹介は、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になり得ます。依頼であることが分かる表示を、依頼の段階で取り決めておきます(消費者庁)。
終了後:一般販売へ橋をかける
クラウドファンディングの終了は、PRにとっては次の始まりです。ここで動けるかどうかで、プロジェクトが一度きりの話題で終わるか、継続的な販売につながるかが分かれます。
プロジェクトを中心にしたPRの広がり
- メディア掲載
- レビュアー・クリエイター
- 店頭展示・体験会
- プロジェクトページ支援の受け皿。掲載記事を活動報告で共有
- 自社EC終了後の一般販売の受け皿
- ECモール商品名で探す人の受け皿
- 小売実績と掲載をもとに提案
一般販売への橋渡し
- 一般販売の開始を新しいニュースにする 「クラウドファンディングで支持された商品が一般販売へ」という流れは、媒体にとっても紹介しやすい構成です。販売開始日、価格、販売場所が決まった時点でPR配信を行います。
- 実績を販路づくりの材料にする 支援者数、掲載された媒体、支援者の声は、小売店や販売代理店への提案資料で説得力を持ちます。販路の考え方は日本で新商品を売る前に考える販路設計で整理しています。
- 支援者への対応を最優先にする 発送の遅れや不具合への対応が遅れると、その評判は一般販売にもついて回ります。遅れる場合は、理由と見通しを早めに伝えることが信頼を守ります。
- 掲載をレポートにまとめる どの媒体に、どんな切り口で取り上げられたかを整理しておくと、次のPRや次の商品の企画に活かせます。
数字を発表するときの注意
支援総額や達成率は分かりやすいニュースですが、扱いには注意が必要です。集計の時点、条件(All-or-Nothingかどうか、目標金額)を明記し、事実だけを伝えます。「売れている」印象をつくるために数字を誇張したり、比較対象を曖昧にしたりすると、媒体からの信頼を失います。
よくある失敗
- 公開日になって初めて媒体に連絡する
- プロジェクトページがスペックの羅列になっている
- 終了後の販売場所や価格が決まっていない
- 支援者へのお知らせよりもPRを優先してしまう
- 特定の媒体に掲載される前提で計画を組んでいる
PR予算との関係
PR予算30万円〜50万円の範囲では、公開時または一般販売時のどちらかに絞り、ストーリー設計、プレスリリースの作成と配信、基本的なメディアアプローチに集中するのが現実的です。100万円以上を確保できる場合は、公開前・期間中・終了後の3段階を通したPRや、店頭展示・レビュアー施策と連動した設計まで視野に入ります。
いずれの場合も、クラウドファンディングの目標達成やメディア掲載を約束することはできません。Glotureが担うのは、商品の魅力を日本のメディアと生活者に伝わる形に整え、届ける仕事です。プロジェクトの準備段階からご相談いただくと、公開日から逆算したスケジュールを一緒に組み立てられます。
この記事は、株式会社Glotureの商品PR支援経験をもとに編集しています。
あわせて読みたい
- 販路設計
日本で新商品を売る前に考える販路設計:PR・クラファン・EC・小売のつなぎ方
Gloture編集部公開 約5分
- PR素材
ガジェット商品のPR素材チェックリスト:メディア掲載に向けて揃えるもの
Gloture編集部公開 約5分
- PR配信・メディア
PR配信とメディアアプローチの違い:配信だけでは掲載が増えない理由と使い分け
Gloture編集部公開 約4分
