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販路設計

家電量販店では何が売れている?主要各社の売上・商品別動向から読む日本の店頭市場【2026年版】

ヤマダHD・エディオン・Joshinの決算資料と月次速報(2026年4〜9月)から、家電量販店で伸びた商品・下がった商品を整理。エアコン・テレビ・パソコン・調理家電の動き、ECの内訳、小型家電ブランドへの示唆まで解説します。

Gloture編集部公開 約11分

2026年度上期の家電量販店

伸びたエアコン(各社130%台)
堅調テレビ(各社107〜109%台)
下がったパソコン(前年特需の反動)
  • ヤマダHD
  • エディオン
  • Joshin
  • 月次・決算資料
  • データ確認日 2026年10月7日
目次
  1. この記事で使うデータと、その範囲
  2. 各社の売上:2026年度上期まで
  3. 月ごとの動き:エアコンと天候で大きく振れた
  4. 商品別:何が伸び、何が下がったか
  5. 店舗とECの内訳
  6. 小型家電のブランドにとっての意味
  7. データの限界
  8. まとめ
  9. Glotureができること

この記事の結論 2026年度上期(2026年4〜9月)の家電量販店の公表資料では、エアコンの大幅な伸びが各社の売上を押し上げ、テレビも堅調な一方、パソコンは各社で大きく前年を下回っています(ヤマダは前年のWindows 10サポート終了前の特需の反動と説明)。ヤマダホールディングスの4〜6月期では、調理家電は前年比101.4%と小幅な伸びにとどまりました。量販店が公表する商品別の数字は大型家電・情報家電が中心で、小型家電の細かな内訳はほとんど公表されていません。小型家電のブランドにとっては、「売場全体の追い風」と「自社商品が選ばれる理由」を分けて考えることが大切です。

データの確認日:2026年10月7日。各社の決算期は4月始まり(3月決算)です。本記事の「上期」は2026年4〜9月を指し、暦年の上半期(1〜6月)とは異なります。

この記事で使うデータと、その範囲

企業 資料 対象期間 数字の性格
ヤマダホールディングス 2027年3月期 第1四半期 決算説明会資料(2026年8月6日) 2026年4〜6月(事業会社によって連結対象月は異なると注記あり) 連結の売上高、部門別売上高
ヤマダホールディングス 月次速報(2026年10月5日ほか) 2026年4〜9月 デンキセグメントのPOS売上高の前年比(速報値)
エディオン 2027年3月期 第1四半期 決算補足説明会資料(2026年8月5日) 2026年4〜6月 連結の売上高
エディオン 2026年9月 月次売上状況(2026年10月2日) 2026年4〜9月 POS売上(受注)ベースの商品売上の前年比(速報値)
Joshin 2026年8月 月次売上速報(2026年9月4日) 2026年4〜8月 POSデータ(受注)に基づく売上高の前年比(速報値)

いずれの数字も、店舗とECを合わせた売上です(ヤマダは別途EC売上を開示)。「店舗だけの売上」ではありません。また、月次の数字は速報値で、決算の数値とは異なります。

ビックカメラ(コジマを含む)とケーズホールディングスも月次の売上を公表していますが、本記事の作成時点で、算出方法を含む公式資料を確認できなかったため、数値は掲載していません。ヨドバシカメラは非上場で、本記事で比較できる公表資料は確認できませんでした。

各社の売上:2026年度上期まで

企業 指標 期間 前年比
ヤマダHD 連結売上高 4,202億円 2026年4〜6月 111.3%
ヤマダHD デンキセグメント POS売上高(速報) 2026年4〜9月 106.1%
エディオン 連結売上高 2,015億円 2026年4〜6月 109.9%
エディオン 全店 商品受注売上(速報) 2026年4〜9月 109.3%
Joshin グループ計 売上高(速報) 2026年4〜8月 112.7%

出典:各社の公表資料(上表)。エディオンの連結売上高は百万円単位の公表値(201,494百万円)を億円に換算。Joshinは9月分の公表前のため、4〜8月の累計です。

期間と集計方法が揃っていないため、この表は各社の比較ランキングではありません。共通して言えるのは、2026年度の前半は各社とも前年を上回って推移しているということです。

月ごとの動き:エアコンと天候で大きく振れた

ヤマダHDのデンキセグメント(POS売上高、速報値)の前年比は、4月109.6%、5月130.4%、6月94.2%、7月110.9%、8月97.5%、9月97.0%でした。上期(4〜9月)は106.1%です(ヤマダHD 月次速報)。

ヤマダHD デンキセグメント POS売上高 前年比(2026年4〜9月・月次速報)

  • 4月109.6%
  • 5月130.4%エアコン売上が前年比2倍以上
  • 6月94.2%前年猛暑の反動・天候不順
  • 7月110.9%梅雨明けで季節商品が伸長
  • 8月97.5%
  • 9月97.0%PCの前年特需の反動、雨の多さ
中央の線が前年並み(100%)。出典:ヤマダホールディングス 月次速報(速報値、決算数値とは異なる)。

各社が月次資料で説明している主な理由は次のとおりです。

  • 5月の急伸 ヤマダは、5月のエアコン売上が前年比2倍以上に伸びたと説明しています。エディオンも、5月のエアコンの受注売上が218.2%で、過去の5月の倍以上だったとしています(エディオン 第1四半期資料)。
  • 6月の落ち込み ヤマダは、前年同期の早期梅雨明け・猛暑の反動と、台風の接近など天候不順でエアコンが前年を大きく下回ったと説明しています。
  • 7月の回復 梅雨明けで季節商品が大きく伸びた一方、前年7月に記録的な気温だった北日本では反動があったとしています。
  • 8〜9月の伸び悩み ヤマダは、パソコンの前年特需の反動、東日本の気温差、9月の雨の多さによる夏物商品の鈍化、店舗の閉鎖や前年の大型出店の影響を挙げています。

商品別:何が伸び、何が下がったか

エディオン(2026年4〜9月、全店・受注売上の前年比)

エディオン 主要商品別 受注売上 前年比(2026年4〜9月・全店)

  • エアコン133.8%
  • テレビ108.4%
  • 洗濯機103.8%
  • ELS(リフォーム計)102.0%
  • 冷蔵庫99.9%
  • パソコン67.9%
出典:エディオン 2026年9月 月次売上状況(POS売上・受注ベース、速報値)。
商品 4〜9月 前年比
エアコン 133.8%
テレビ 108.4%
洗濯機 103.8%
ELS事業(リフォーム計) 102.0%
冷蔵庫 99.9%
パソコン 67.9%

出典:エディオン 2026年9月 月次売上状況(POS売上・受注ベース、速報値)。

Joshin(2026年4〜8月、前年比)

商品 4〜8月 前年比
エアコン 136.1%
携帯電話 129.4%
テレビ 107.7%
冷蔵庫 104.7%
洗濯機・クリーナー 104.7%
パソコン 79.2%

出典:Joshin 2026年8月 月次売上速報(POSデータ・受注に基づく速報値)。

ヤマダHD(2026年4〜6月、部門別売上高)

ヤマダは決算説明会資料で、より細かい部門別の売上高を公表しています。小型家電に関係するのは「調理家電」と、理美容商品・健康関連商品・クリーナー・オーディオなどを含む「家電 その他」です。

部門 売上高(2026年4〜6月) 前年比
エアコン 559億円 130.7%
携帯電話 340億円 127.6%
パソコン周辺機器 108億円 111.0%
カラーテレビ 193億円 109.2%
家電 その他(理美容・健康関連・クリーナー・オーディオ等) 591億円 102.7%
洗濯機 252億円 102.1%
調理家電 140億円 101.4%
冷蔵庫 248億円 101.4%
パソコン 230億円 99.5%

出典:ヤマダHD 2027年3月期 第1四半期 決算説明会資料。百万円単位の公表値を億円に換算し、1億円未満を四捨五入。

ヤマダHD 部門別売上高 前年比(2026年4〜6月・連結)

  • エアコン130.7%
  • 携帯電話127.6%会計上の売上計上方法の変更影響を含む
  • パソコン周辺機器111.0%
  • カラーテレビ109.2%
  • 家電 その他102.7%理美容・健康関連・クリーナー・オーディオ等の合計
  • 洗濯機102.1%
  • 調理家電101.4%
  • 冷蔵庫101.4%
  • パソコン99.5%
出典:ヤマダホールディングス 2027年3月期 第1四半期 決算説明会資料。

注意点がいくつかあります。

  • ヤマダはエアコンの伸びの背景に「2027年問題」などを挙げています。
  • 携帯電話の伸びには、取引条件の変更に伴う会計上の売上計上方法の影響が含まれると注記されています。販売の伸びだけを示す数字ではありません。
  • 「家電 その他」は複数のカテゴリの合計で、理美容家電だけの数字は公表されていません。

店舗とECの内訳

各社の月次資料や上記の決算資料で、店舗とECを分けた売上が確認できたのはヤマダHDだけでした。ヤマダの「EC(ネット・TVショッピング)」の売上は、2026年4〜6月で254億円、前年比111.4%です(ヤマダHD 第1四半期資料)。同期間の連結売上高4,202億円の約6%にあたります(Glotureによる計算。EC売上の集計範囲と連結売上高の範囲が同じとは限らないため、目安です)。

エディオンとJoshinについては、今回確認した資料に店舗とECの内訳はありませんでした(公表なし)。

小型家電のブランドにとっての意味

ここからは、データをもとにしたGlotureの考え方です。

1. 売場の追い風は、主に大型の季節家電に吹いている 2026年度前半の各社の伸びは、エアコンの影響が大きく、調理家電(ヤマダ4〜6月で101.4%)や「家電 その他」(同102.7%)の伸びは小幅です。売場全体が好調でも、小型家電が同じように伸びているとは限りません。

2. 公表される数字は「大きな商品」中心 量販店の月次資料は、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなどが中心で、小型家電の細かな動きはほとんど公表されていません。小型家電のバイヤーとの商談では、カテゴリの数字よりも、自社商品の反応や実績が問われることになります。

3. 実演と説明が、売場で選ばれる理由になる 家電量販店の売場では、似た商品が並んで比べられます。何が違うのかを数秒で伝えられる見せ方、実際に触れられるデモ、日本語の商品説明やPOPに使える一文が、売場での説得力になります。

4. 商談には「店頭で売れる根拠」を持っていく メディア掲載、レビュー、クラウドファンディングやECでの実績は、バイヤーとの商談の材料になります。まとめ方は小売商談に使えるPR実績のまとめ方をご覧ください。ただし、掲載や実績があっても、導入を決めるのは小売店です。

5. 季節と売場の主役を意識して、発表時期を選ぶ エアコンが売場の主役になる時期は、小型家電の新商品が目立ちにくい可能性があります。発売とPRの時期は、新商品発売前のPRスケジュールを参考に検討します。

データの限界

  • 期間と集計方法が各社で違う ヤマダの部門別は4〜6月の連結、ヤマダ・エディオンの月次は4〜9月の速報、Joshinは4〜8月の速報です。同じ表で並べても、厳密な比較にはなりません。
  • 月次は速報値 各社とも、月次の数字は決算数値とは異なるとしています。
  • 小型家電の内訳はほとんど公表されていない 理美容家電、調理家電の細かなカテゴリ、ブランド別の売上は、今回確認した資料では公表されていません。
  • 未掲載の企業 ビックカメラ(コジマを含む)、ケーズホールディングスは、本記事の作成時点で公式資料を確認できなかったため掲載していません。ヨドバシカメラは比較できる公表資料を確認できませんでした。
  • 店舗とECの内訳 ヤマダ以外は公表なし。各社の売上は店舗とECの合計で、「店舗売上」ではありません。

まとめ

2026年度上期の店頭データから読めること

  1. 1追い風

    エアコン中心の伸び

    • 各社とも前年を上回って推移
    • 5月・7月の季節要因が大きい
    • 6月・8〜9月は天候と反動で鈍化
  2. 2小型家電

    伸びは小幅

    • 調理家電 101.4%(ヤマダ4〜6月)
    • 家電 その他 102.7%(同)
    • 細かな内訳はほぼ公表なし
  3. 3ブランドへの示唆

    選ばれる理由を自分で示す

    • 売場で数秒で伝わる違い
    • 実演・日本語の説明・POP
    • 商談に持っていく実績と反応

小売店への提案ルートは日本の小売店に商品を置いてもらうには?、販路の考え方は日本で新商品を売る前に考える販路設計で整理しています。

Glotureができること

Glotureは商品PRの会社です。小売店への取次や販売代理は行っておらず、店頭への導入をお約束することもできません。お手伝いできるのは、売場で伝わる商品ストーリーと、商談の材料になる掲載・反応をつくり、PR配信、メディアアプローチ、Modern-Gでの紹介、掲載レポートにまとめることです。PR予算は30万円からご相談いただけます。

この記事は、株式会社Glotureの商品PR支援経験をもとに編集しています。